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>>興行ビザ
興行ビザを必要とする音楽関係の公演がオーケストラなどによるもので、コンサートホールなど大規模かつ公共的な施設で行なわれる場合には会場面での心配は少なくなりますが、クラシックギターのギタリストなどの公演がライブハウスなどの小規模な会場を予定されている場合は興行ビザの会場要件を満たしていないことも多いので事前にしっかりとした判断が必要です。特にその会場で日常的に飲食が提供されるような場合は不許可に傾きますので会場選びは慎重に行いましょう。
ギタリストのお客様が取得された興行ビザ。小規模な会場での演奏でしたので興行ビザの条件をクリアするためにご依頼者と共に工夫を迫られた案件ですが無事に許可されました。
歌手(声楽家)のお客様が取得された興行ビザ。歌手ご本人は母国でCDを発売され音楽学校で教鞭をとられているなど実績は十分でした。小規模な会場での公演であったため心配されましたがノウハウを駆使して無事に許可されました。
芸術家に与えられるビザには、在留資格「芸術」が用意されていますが、例えば、日本において当該芸術家が「興行」を行う場合には、在留資格「興行」の取得が求められます。
例えば、舞踏家やクラシック音楽の演奏家・指揮者は、芸術家ですが、これらの方が日本で、観客から料金を徴収して芸術を披露する場合には、興行ビザの取得が必要となります。
興行ビザの基準は1号から4号まで定められていますが、3号は演劇、演芸、歌謡、舞踏又は演奏以外の形態で行われるプロスポーツやサーカスなどの興行が対象で、4号は興行以外の形態の芸能活動(テレビの収録や映画の撮影、CDの録音など)が対象ですので、いわゆる人前で歌ったり演奏したり踊ったりするコンサートやライブなどでは選択の余地がありません。
従って、音楽家や演奏家がコンサートなどを行う場合は興行ビザの基準1号又は2号に該当しているかどうかを検討していくこととなります。
演劇、演芸、歌謡、舞踏、又は演奏の興行をするときには、2号として設けられた例外に該当しない限りこの1号の要件を満たさなければなりません。
音楽家や演奏家などの公演はまさに「歌謡」と「演奏」ですので本来は1号基準をクリアしなければならないのです。
しかしながら1号の要件は、かつてダンサーや歌手と称して招聘したタレントにホステスの仕事をさせるなどの違法行為が横行したため条件が厳格化されており、また運用も厳しいためクリアするのは容易ではありません。
例えば、招聘会社に5名以上の常勤職員がいなければならず、公演会場には13平方メートル以上の舞台がなければならない、9平方メートル以上の出演者用の控室が無ければならない等々が細かく定められています。
アーチストが団体として1日500万円以上の報酬を稼がない場合には、外国の教育機関において当該活動に係る科目を2年以上の期間専攻していなければならないなどのアーチストのバックグラウンドにも条件がつけられています。
多くのことを書面で立証しなければならないためじっくり腰を据えた申請準備が必要で、音楽家やソリストのコンサートのように直前にバタバタと物事が決まる現場では、事実上も選択することが困難です。
アルファサポート行政書士事務所では時折、民族料理のレストランに設置された舞台での興行を行うダンサーや演奏家、歌手などのアーチストの興行ビザ取得のご依頼をいただくことがありますが、この場合には比較的要件を満たしやすいです。
興行ビザ基準2号は、会場と報酬に着目し1号の基準を緩和するために設けられています。
ある一定の条件を満たす会場で行われる公演ならば、招聘会社の常勤雇用者が5人未満でも、控室が無くても、アーチストが専門教育を受けていなくても公演を許可してあげよう、公演で高額の報酬を稼ぐことができるアーチストならホステスのような仕事をする動機がないからこの場合も要件を緩和してあげよう、という訳です。
要件が緩和されているからクリアするのは簡単だろうとイメージされる方は多いのですが、実際に検討されると多くの会場がこの2号基準を満たしていないので慎重さが求められます。
会場に着目した2号基準の1つ目は、次のようなものです。
「客席において飲食物を有償で提供せず、かつ、客の接待をしない施設(営利を目的としない日本の公私の機関が運営するもの又は客席の定員が百人以上であるものに限る。)において演劇等の興行に係る活動に従事しようとするとき。」
弊社の経験上、後半の条件は比較的皆様クリアできるのですが、前半の「客席において飲食物を有償で提供せず」の要件を入管は非常に厳格に解釈しているので、例えば客席にカウンターが設置してあればたとえ当日それを使用しなくても会場としてアウトですし、ホテルの宴会場のような場所も会場としてアウトです。ライブハウスも同様で、客席において飲食物を提供することができる構造となっている場合は興行ビザが許可されることはありません。
報酬に着目した2号基準の2つ目は、次のようなものです。
「当該興行により得られる報酬の額(団体で行う興行の場合にあっては、当該団体が受ける総額)が1日につき50万円以上であり、かつ、15日を超えない期間本邦に在留して演劇等の興行に係る活動に従事しようとするとき。」
この規定の趣旨は、1日に50万円以上を稼ぐことができるだけの名声を有している個人や団体の興行であれば違法行為が行われる心配も少ないから、飲食物を提供する施設で公演を行ってもいいですよというものです。裏を返すと、1日に50万円以上を稼ぐことができない個人や団体は、違法行為をすることが物理的に不可能な施設で公演するか、飲食物を提供する施設で公演するなら1号の要件をクリアしてください、という意味です。
・主催者、協力会社などの決定・役割分担の打ち合わせ
・アーチストへのオファー
・収支予算計画の策定
・興行ビザの要件クリアは会場や報酬にかかっています。事前に興行ビザを取得できる会場や報酬を行政書士と詰めておかないと、あとから会場を変更したりアーチストとの契約書を作り直したりとややこしい展開になります。契約書の内容についても入管独自のツッコミがありますので先回りして手を打ちましょう。
・日程の決定
・会場の決定・申し込み・支払い
・報酬の決定・契約書の締結
・飛行機の手配、ホテルの予約
・アーチストの過去の出入国歴、配偶者の有無、パスポート番号などの情報収集
・アーチスト関連書面の作成(プロフィールなど)
・招聘会社関連書面の収集(財務諸表、登記事項証明書など)
・会場関連書面の手配(会場使用許可書など)
・申請書類を作成したら、入国管理局へ申請します。
・入国管理局は受理に必要な最低限度の書類を指示していますが、それだけを収集して提出するとほぼ決まって追加書類が請求されます。あらかじめ知らされていないと準備に時間がかかる書面もありますので、興行ビザの専門行政書士に依頼をされていない場合はここで2週間、3週間と時間をロスされる方も多いようです。
・結果は封書で通知されます。在留資格認定証明書が交付されたら本人に郵送しましょう。
・アーチストが在外公館で興行ビザを申請します。所要日数として5営業日を掲げている領事館が多いですので確認の上スケジュールに組み込みましょう。
・あらかじめきちんと計算されているとは思いますが、在留資格認定証明書の交付日から3か月以内、かつ、査証発給日から3か月以内に来日する必要があります。アーチストが帰国するまでが招聘会社の責任です。出迎えだけでなく見送りもしっかり行ってアーチストの帰国を見届けましょう。
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行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。